髪のコト

カラーリングで「染めるほど髪が良くなる」なんて、本当?

最近、「頭皮を改善しながらカラーできる」「染めるたびに髪が元気になる」
そんなメニューを見かけます。
お客様からも「これって本当?」とよく聞かれます。

でも、女性の抜け毛や頭皮を長年見てきた立場から言わせてもらうと——
それは、理論的にも現実的にも成り立ちません。

カラーは髪の色を変えるための技術であって、
頭皮や髪を良くするためのものではありません。

どんなに「肌にやさしい」「育毛につながる成分を配合」と書かれていても、
それはあくまで刺激をできるだけ和らげる工夫にすぎません。

カラーリングは、髪の内部で化学反応を起こして色を変えるもの。
つまり、どんなに“やさしい処方”であっても、
頭皮や髪には少なからず負担がかかります。

「染めながら頭皮改善」「育毛しながらカラー」といった言葉は魅力的ですが、
実際には反対の性質を持つ行為を同時に行うことになるのです。

できるだけ負担を減らす工夫なら理解できますが、
「やればやるほど髪が元気になる」というのは、
どう考えてもありえません。

白髪や抜け毛が気になるなら、“染め方”から見直そう

もし、あなたが白髪や抜け毛に悩んでいるなら、
まずは「染めること」から見直すことが大事です。

そして、どうしても白髪が気になるなら——
ヘナという選択肢もあります。

ヘナは植物由来の自然な染料で、
地肌をいたわりながら色を入れることができます。
ただし、色の種類が限られていたり、
化学染料のように自由なトーン調整はできません。

また「植物だから安心」というわけでもありません。
ヘナにもアレルギー反応が出ることがあります。
赤っぽく発色しやすく、
「白髪をしっかり隠したい」という方には向かない場合もあります。

カラーで髪を育てることはできない。

でも、“未来の髪を守る”ことはできる。

髪を守る方法は、実はとてもシンプルです。

・地肌につけないようにする
・頻度を減らす
・カラー剤が頭皮に触れている時間を極力短くする

たったこれだけで、頭皮や髪の負担は大きく変わります。

「全部ほしい」は、髪にとっていちばん厳しい要求

白髪を隠したい。
でも傷ませたくない。
ボリュームもツヤもほしい。

——その気持ちは痛いほどわかります。

でも、すべてを一度に叶える方法は存在しません。
だからこそ、どこを優先するかを決めること。
そして「このカラーなら大丈夫」という言葉に、
安心しすぎないことが大切です。

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